ショートショート

夢一夜

変な夢を見た。
私は階段の中二階にいた。
その階段を上っても下りても別の部屋にはいけなくて、同じ中二階にしかいけない。
そこには扉がひとつある。
その扉は開くと、地球のどこかにつながる。
以上のことは全てあらかじめ知っている。
どこにつながるのか分からないので、大気圏なんかにつながると吸い出されて死ぬということも分かっている。
この中二階には以前にも来たことがあると思い出した。
しかし、どこかに行かないとどうしようもないので、扉を開けることにした。
ところが言葉が通じない国につながったので、扉を閉める。
それを何度か繰り返していると、なんとか日本につながった。
そこは青森。別に青森と書いてある訳ではないけれど、直感で分かった。
扉は青森の温泉の浴室に通じてしまったようだ。。
日本に通じたのなら仕方がないので、そこで風呂にでも入ろうかなと荷物を置くと、ゴキブリのようなコオロギのような虫がついた。
「気持ち悪いなぁ」と思って、振り落とそうとするんですけど、なかなか落ちない。
指二本分くらいの大きな虫。

ふと気が付くと別のところにいた。
港のようなところにいて、桟橋からその地方のお祭りを見ていた。
私はそこではっぴみたいなのを着て、その祭りを見ていた。
ふと気がつくとはっぴの裏、ちょうどたもとの辺りにその虫がいた。
私はそれをつまんで海に投げ捨てた。
捨てられた虫は頭だけが水面に浮かんでいた。
よく見ると、虫はたくさんいた。
それをつまんでは捨て、つまんでは捨て、していると水面には虫の頭が並んでいた。
虫はまだまだいた。
ズボンの中にまで入っているようだ。
ズボンをまくりあげて、虫をつまんで捨てていると。
目が覚めた。

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